セキセイインコは安くて丈夫で飼い易いってホント?
先日、我が家の小学生が図書室から「インコ・カナリヤの飼育」というような、かなり年代物の小鳥飼育書を借りてきました。
何気にパラパラと眺めていると、「セキセイインコは丈夫で初心者でもとっても飼いやすい」と書いてありました。
まぁ・・・そうかな。個体の値段も安いですしね。当ブログでもセキセイインコは値段も安く手頃で、飼いやすいのでオススメですよ的な記事で紹介しました。
確かに個体は安いです。それは事実。そして確かに丈夫でした。シーサンが子供の頃のセキセイインコは丈夫でした。
現在も普通は丈夫ですよ、セキセイインコ。でも、必ずしもそうとは言えないんじゃないかなと個人的に思っています。
それはなぜか?
今回は、これからセキセイインコを飼おうかなと思っている人に知っておいて欲しい「メガバクテリア」についてです。
予めお断りしておきますが、今回の記事はあくまでも「セキセイインコの値段や飼いやすさ」の視点から考えるメガバクテリアについてです。闘病記や治療についてではないので、そこんとこご了承ください。
メガバクテリアってなに?
まずはメガバクテリアって一体何?から始めます。
私ごときはメガバクテリアについて多くを語れるほどの者ではありませんが、自分で検索して分かったことをまとめてみたいと思います。
その中でとっても参考になったのが「鳥と小動物の病院 リトル・バード」に記載されていた「鳥のメガバクテリア(AGY)症」というページです。
説明し始めたら長いのですが、ここでは要点のみを紹介します。
■鳥類の胃に生息し、胃を障害する。
■発症すると痩せる、体重減少、嘔吐、便の異常等が表れ、急性の場合は1日で死亡することも。
■初めてメガバクテリアの存在が明らかになったのは1982年のアメリカ。その後爆発的に世界中に広まった。
■色々な種類の鳥から検出されているが、最も多く発症し症状を表すのがセキセイインコである。
■世界中に蔓延してしまった為、日本国内でもメガバクテリアのいないセキセイインコブリーダーを探すのは困難。
ざっとこんな感じです。
冒頭で「シーサンが子供の頃のセキセイインコは丈夫でした」と書きました。それもそのはず。初登場が1982年のアメリカとありましたから、昔はなかったんです、メガバクテリアなんて。
実際、我が家は子供達が飼いたいと希望したため、セキセイインコのレイを4年ほど前にお迎えしました。その時はメガバクテリアなんて知りもしませんでしたよ。自分の飼育経験から、「いいんじゃない?セキセイインコ。安いし飼いやすいし~」と思ってました。
そしたらですよ。
お迎えから数日後、お尻にフンが付いている・・・。
健康なインコはお尻は汚れないということは知っていました。翌日病院へ連れて行くと、フンからメガバクテリアが検出されたという訳です。
そこで初めてメガバクテリアという名前を知りました。「メガ」なんて名前だから、でっかい菌をイメージしてしまいますが、実際は「真菌(カビ)」の一種です。
「メガバクテリア?なんじゃそりゃ。」と自分なりに調べてみた結果が、先ほどのメガバクテリアについての要点というワケです。
先ほどの要点中でポイントとなるのが・・・
■最も多く発症し症状を表すのがセキセイインコ
■日本国内でもメガバクテリアのいないブリーダーを探すのは困難
これです。
つまり、ショップやブリーダーさんからお迎えするセキセイインコのほとんどが、もうすでにメガバクテリアに感染しているということです。
というのも、孵化した後に親鳥が吐き戻した餌を与えることで感染してしまうからなんですね。
あくまでも個人的な意見ですが・・・この事実を知った上でセキセイインコをお迎えするのと、そうでないのとでは全く心の準備が違ってくると思います。
実際自分がそうでしたが、ほとんどのセキセイインコがもう既に持ってる病原体ということを知って少なからずショックを受けました。
でも、それについて説明するショップやブリーダーさんはほとんどいないと思います。
このメガバクテリア、感染していたら必ず発症するのかと言えばそうではなく、宿主(鳥)のコンディションに大きく左右されます。つまり、免疫低下・体力低下により発症するという訳です。
現在ではある種の抗真菌剤が良く効くことが分かっていて、早期発見・早期治療により良好に治癒するとのことですが、こじれて慢性胃炎になってしまうと治療は困難になるとのこと。
果たしてセキセイインコは本当に安くて飼いやすいのか?
さて、メガバクテリアの存在・特徴を知った上で、今回の記事の趣旨「セキセイインコの値段や飼いやすさ」に話を戻したいと思います。
セキセイインコは日本全国どこからお迎えしても、既にメガバクテリアに感染している可能性が非常に高いことが分かりました。これを防ぐ事は現時点では困難です。
そして免疫が低下すると発症するので、体力の無い雛や老鳥は発症する確立が高くなります。
つまり、お迎えしたセキセイインコがメガバクテリアの発症により体調を崩して、病院に連れて行くことになる可能性は高いと言えます。
セキセイインコの雛の値段はいくら?の記事でも紹介していますが、我が家のレイちゃんは2000円でした。
病院に行けば、検査だけでも3~4000円はかかります。皆さんの経験談等を検索したところ、メガバクテリアが完治するまでには2~3ヶ月の通院・投薬で平均3~4万円かかる様です。
大切なペットの命には替えられない、という意見がほとんどでしょうが、これ・・・一般家庭では結構な出費ですよ。
セキセイインコをお迎えしたら、このくらいの治療費がかかる可能性が非常に高いということです。個体そのものは安いですが、後の病院代を考えると決して安いとは言えなくなってきます。
費用もですが、鳥を診てくれる病院に通院できる生活環境かという事も重要になってきます。
また、発症を防ぐ為には免疫の低下を予防することが大切なので、食生活など飼育環境には日頃から気を配る必要があります。
こう考えると、昔のように「セキセイインコは丈夫で飼いやすい」とは言い難いのでは・・・と思います。
まとめ
今回はメガバクテリアという病気を踏まえて、果たしてセキセイインコは本当に安くて飼いやすいのかという内容でした。
ちょっと主観的な内容になってしまいましたが、これからセキセイインコを飼おうと思っている方には是非とも事前に知っておいて欲しい事実です。
セキセイインコにはこんなことがあるよと知った上で、計画的なお迎えをしんチャイ!
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