スサーって何?
インコ、鳥飼い人の間では一般的な言葉になりつつある「スサー」。
「スサー」って何?という方もいらっしゃるでしょうから、簡単に説明しておきますと、
「スサー」とは鳥がよくやるストレッチのようなもので、片方の羽と足を斜め後方にぐいーんと伸ばす体操のようなものです。
「さあ、これから動くよ!」といった感じで、動き出す前にやる伸び伸び運動ですね。
凝り固まった体をほぐすようなもので、人間もよくやりますよね。肩が凝ったな、とぐるぐる回してみたり。
実際のスサーの動きはこんな感じですよ、というのを動画で参考までに。我が家のオカメインコの丸くんの「あさイチスサー」です。
ところで、この「スサー」というネーミングですが、正式名称なのでしょうか。
正式名称・・・という表現もおかしな感じですが、たまにインコの飼育書の類にも「スサー」と表記されたりしているんですよね。
実はこの「スサー」という表現は、とある方から広まって定着した表現らしいのです。
今回は「スサー」の由来について、発見したことを紹介します。
スサー発端は文鳥好きのイラストレーターさん
鳥の羽伸ばし体操の様子を「スサー」と表現したのは、実は amycco. [エミコ] さんというイラストレーターさんでした。
>>amycco. [エミコ] さんのサイトはコチラ
新しいマーカーの試し描きとして、なんとなく描いた文鳥の寝起きストレッチの4コママンガ。
その中に「スサー」が登場しています。
>>amycco. [エミコ] さんのブログ記事「文鳥ちゃん、寝起きのストレッチ。」はコチラ
それがネットで広まって、いつの間にか鳥飼い達の間で「スサー=羽と足を伸ばすストレッチ」として定着していったというわけです。
この動作のことを「スサー」と表現した一番最初の人は、実際の所は分かりませんが、ネットを通じて社会に「スサー」という表現で発信したのは amycco. [エミコ] さんが最初なのだと思います。
それまでは人によっては「ぐいーん」とか「のびーん」とか呼んでいたかもしれませんが、今や「スサー」というと「あぁ、あの動きのことね」と定着するまでになったということです。
実はこの「言葉の定着」の過程には、文化等の生活習慣や、民族性などが大きく関わっています。
例えば「牛」って英語で何て言いますか?
そんなの知ってるよ、cow(カウ)でしょ?って思う人、多いと思います。
でも英語では、牛は牛でも6つの単語に表現が分かれています。
・cow:乳牛、雌牛
・beef:食用の肉(牛)
・cattle:畜牛
・bull:去勢していない雄牛
・ox:去勢した雄牛
・calf:仔牛
こんな感じです。
なんでいちいち「去勢したオス、してないオス」とかで単語が分かれてんの?牛は牛でいいじゃん、面倒くさい。って思うかもしれません。
でも英語圏の生活では、去勢してるかしてないか、そこが重要だからいちいち単語が分かれているんです。「去勢してないオスの牛」って表現するのが長くて面倒だから、「bull」って一語になってるってことです。
似たような事例がアメリカインディアンの言語にもあります。
アメリカインディアンのホピ族の言語には、空を飛ぶもの(飛行機とか虫とか)を表す単語は、「鳥」という単語と「鳥以外のもの全て」という単語しかないらしいのです。
つまり、飛行機が飛んでいたら、「あ、鳥じゃないものが飛んでいる」となるってワケ。
なぜかというと、ホピ族にとって「鳥の羽」は伝統儀式に欠かすことのできない大切な物なので、「鳥」は区別して表現する必要があったけど、それ以外の飛ぶものに関しては全く重要じゃなかったので、いちいち単語で分ける必要性がなかったという訳なんです。
このように、特定の語が誕生する背景には生活が密接に関係しているんです。
鳥の飼育者にとっては、これは「スサー」。
これはシーサン的には「ウィーン」。(amycco. [エミコ] さんのイラストでは「ファサ」と表現されてますね。)
こんな風に分けて表現するのが当たり前。だってどっちも違う動きだもん。ってなるんでしょうが、鳥に興味がない人にとっては「スサー」も「ウィーン」もないでしょ。どっちも「羽のストレッチ」でいいじゃない。ってなるんですね。
ただのスサーの紹介だったのに、ちょっと内容が言語学寄りになっちまったぜ!
まとめ
今回は鳥の羽のストレッチ「スサー」についてのお話でした。
「スサー」はイラストレーターさんから広まった通称です。いわゆる「スサー」って感じの動き、ってことです。鳥の医学的?には何と表現するのか分かりませんが、誰か知ってたら是非コメントお願いします。
じゃあ人間の肩をぐるぐる回すやつは何て言うの?マエケン体操?!カープファンじゃなきゃ分からん言葉で締めるのはやめんチャイ!!
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