一人餌前の雛は当然さし餌が必要
親鳥から離された小鳥の雛は、一人で餌を食べられるようになるまでは、普通の餌ではなく、ドロドロの餌を人の手で食べさせてやる必要があります。
これを「さし餌」といいます。
シーサンはウロコインコのチャイをお迎えするまでは、セキセイインコのさし餌しか経験がなく、ウロコインコのさし餌には多少不安がありつつも、「小鳥をお迎えするなら雛のうちから!!」との強い気持ちがあり、まだ一人餌になる前の雛の状態からチャイをお迎えしました。
その時の経験、失敗をもとに、もしウロコインコをさし餌の段階でお迎えした場合の注意点をコチラに挙げておきたいと思います。
予めお断りしておきますが、これを書いているシーサンは経験豊富なウロコインコ飼育者ではありません。
さし餌も1羽しか経験していない、むしろ初心者です。
その上で、やり直しのできない難しさ、こうすれば良かった等の後悔があり、これから初めてウロコインコの雛をさし餌からお迎えする方々の参考に少しでもなればという思いで自身の経験をこちらでお話することにしました。
なので、詳しいさし餌の方法などは、必ずお迎え元のブリーダーさんやショップの方々にご確認下さい。
さし餌時期に大切なのは、なんといっても体重管理
さし餌の進め方として、まずは体重を測りましょう。
さし餌を与える前と後で体重を測り、単純に増えた分が「食べたさし餌の量」となります。
お迎えする前にさし餌をしていたブリーダーさんやショップの方が、何gくらいを目安に食べさせたら良いか教えてくれるはずなので、その量を目指して与えましょう。
そして、さし餌を与えている期間でも、ケージの床にシードなどの大人(?)餌を置いておきます。
鳥は地面に落ちているものをついばむ習性があるので、床に置いておくと、自然と食べ始めます。
段々と床の餌を一人で食べる量が増えていって、そこから十分な量を食べるようになるとさし餌は終了となります。
なので、さし餌の前に体重を測って、前回のさし餌後の体重からほとんど減っていなければ、自分で餌を食べているということが分かるのです。
これ、簡単そうに思えて、実は結構判断が難しかったです。
シーサンの失敗談は後でお話するとして、次に実際さし餌を与える時の注意点を書いていきたいと思います。
さし餌を与えるときは、温度とタイミングに注意
さし餌を与える時のコツとして、親鳥が雛に食べ物を与える時のことを思い出してみてください。
鳥さんは、さし餌の温度が低いと、食べてくれません。
というのも、親鳥からもらう食べ物は、親鳥が一旦食べたものを戻して与えるからです。
身体から出てくるものなので、親鳥の体温と同じくらいの温度でもらっている、ということです。
人間の赤ちゃんの母乳と同じですね。
鳥さんは人間よりも体温が高めです。
さし餌の温度は、大体お風呂の温度くらいです。
指を入れて、ちょっと熱いかな?くらいですね。
熱すぎても食べてくれません。
熱すぎたときは、あからさまに「あっちーなコノヤロウ!」的な態度になります。
また、与えている最中にぬるくなると、ぱたりと食べてくれなくなります。
湯せんしながら、温度に気を使ってあげるようにしてください。
チャイが食べていたさし餌は、ブリーダーさんオリジナルのパウダーフードでした。
こちらを、ポタージュくらいの濃度にお湯で溶いてスプーンで与えます。
スプーンはセキセイインコのさし餌で使用した、あわ玉用スプーンを使いました。
これは、お迎え元がどのようなフードをどのように食べさせていたかによります。
必ず、お迎え元の指示を仰いで下さい。
また、最初の3口くらいはガツガツ食べるのに、その後プイッと食べなくなったりもします。
これは、ブリーダーさんが何羽くらいの雛に同時にさし餌をしていたかにもよると思いますが、多くの雛に順番にさし餌をしているケースだと、次に自分の番が回ってくるまでに普通時間がかかりますよね?
親鳥が雛に餌を与える時も、自分のお腹の中が空っぽになったら、また餌を採りに巣から飛んで行きますよね?
なので、連続で与えても食べないことがあります。
その時は数分、休憩してからまた食べさせてみてください。
では、どこが難しく失敗したのか
体重管理の話のところで、
「さし餌を与える前に体重を測って、減っていなければ一人で餌を食べている」
と書きましたが、これだけ読むととっても簡単に思えるのですが、実際は判断がとても難しいです。
ウロコインコは、本当は一人餌が食べられるにもかかわらず、さし餌を与えると普通に食べます。
中にはパタリと食べなくなく子も居るようですが・・・とても固体差があります。
なので、どのくらいの体重なら、この回からさし餌を抜いて様子を見よう、という判断が素人にはとても難しいです。
また、初めて飛ぶようになる前には、体重は減って行きます。
これは、飛ぶ為に身体を軽くしないと飛べないからです。
分かっていても、実際どの程度まで減っても適正範囲なのかの判断がこれまた難しいです。
さし餌はほとんどが水分なので、与えた直後は体重が増えますが、結局もとに戻ります。
体重が減っていった後に、本当に体重を増やすのは、さし餌ではなく一人で食べる餌なのです。
これが、一人餌食べ始めの頃は、食べるのがまだヘタクソで、なかなか思うように量を食べてくれず、「これしか食べられていないのだから、さし餌を与えておかなければ・・・」と思ってしまうのです。少なくともシーサンはそうでした。
※追記:さし餌に使った、あわ玉用のスプーンももしかしたら影響があったかも、とブリーダーさんから改めてご指摘頂きましたので追記いたします。あわ玉用のスプーンは水切り用の小さな穴が空いていて網のような状態になっています。これがあったが為に、スムーズにフードが雛の口に流れ込んでいかなかった可能性があるとのことです。流し込む感じでたくさん食べさせるのがコツ、とのことなので、これからさし餌を与える方は、ぜひスプーンの形状も参考にしてください。
通常、50日齢前後で一人餌に移行し、自分で食べる量が増えるにつれて体重も増えていくようなのですが、シーサンは移行に失敗し、ダラダラと60日齢くらいまでさし餌を続けてしまいました。
結果、同時期に生まれた子達よりも体重が10gも小さい子に育ててしまいました。
これはさし餌が長引いたせいです。
小鳥の骨格は雛のうちに決まるそうです。
我が家のチャイは、恐らくこの先大きくなっても、60gいくかいかないか程度しか大きくならないだろうと言われました。
自分の不手際でチャイを小さく育ててしまったことを深く後悔しました。
一人餌になるまでブリーダーさんのもとに居れば、もっと大きい子に育ったのに、と。
まとめ
このような失敗の経験から、どうすれば良かったのかをまとめておきます。
・さし餌の期間中は少しでも不安や不明点があれば、逐一ブリーダーさんやショップの方に聞く事をためらわないで下さい。
(シーサンは何度も何度も聞くのも迷惑かな・・・と思ってしまってあまり聞かない期間がありました。ですが、聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥です!)
・難しいさし餌はプロにお任せして、一人餌になってからお迎えすることも検討して下さい。お迎え後、環境や人が変わることでうまく食べてくれなくなることもあります。
(お迎えするのが1~2週間程度先になっても、今の懐き具合にさほど変わりはないように思います。)
長くなってしまいましたが、さし餌に関しては言葉で簡単に説明するのが難しいですね。
雛の飼育には責任をもって、分からないことはしっかり聞ける環境を整えんチャイ!
コメント