炭鉱で毒ガス検知に使われていたカナリア
その昔、炭鉱夫たちがカナリアを炭鉱に連れ込んでいたことを知っていますか?
炭鉱では爆発や火事などが起こった時に、致死性の有毒ガスが発生する恐れがあります。
主に一酸化炭素のようなガスが致死性となるようですが、それらの有毒ガスは無色無臭とのこと。
そのため、ガスが発生していることに気付いた時には手遅れ、という訳です。
その見えない臭わないガスの存在を炭鉱夫に知らせるためにカナリアが利用されていたのですが・・・一体どうやって?
カナリアといえば毒ガス探知のようなイメージが個人的には強くありました。その理由は、1995年のオウム真理教一斉捜査の時の映像です。
先頭の機動隊員が鳥かごを持っていました。中にはカナリアが。
その印象が強烈に記憶に残っており、カナリアは毒ガスがあったら鳴いてお知らせしたりするのかな・・・?などと思っていました。
なにか有毒ガスを探知する特殊な能力がカナリアにあるのでしょうか?
ちょっと不思議に思って調べてみたら、カナリアの毒ガス探知には鳥の呼吸器の仕組みが関係していました。
それでは、毒ガスとカナリアと呼吸器について!イッテミヨー!
鳥は有毒ガスの影響を受けやすい
カナリアが毒ガス探知に使われていた理由は、カナリアに特殊な探知能力があるわけでも何でもなく・・・毒ガスの影響を人間よりも早く受けるからでした。
炭坑内に毒ガスが存在すると、カナリアは人間よりも早くはっきりと目に見えて元気がなくなるので、その様子を見て炭鉱夫達は、毒ガスの存在に気づき避難することができるという訳です。
ではなぜ、人間よりもカナリアの方が先にガスの影響を受けるのでしょうか。
実はその理由は、鳥と人間の呼吸器の違いにありました。
鳥は飛行するためにたくさんのエネルギーが必要で、空気中からできるだけ多くの酸素を取り込むことができるよう、人間よりも複雑な呼吸器システムを持っています。
言葉で説明するととても難しくチンプンカンプンになってしまうので、めちゃくちゃ簡単に説明すると・・・人間は吸ったときしか酸素を取り込めませんが、鳥は吸うときも吐くときも効率よく酸素を取り入れることが出来るようになっています。
例えば、空気中にある酸素が10だとしたら、人間が取り込めるのは3なのに、鳥は8取り込める、といった感じです。(ちなみに数字の比率は例としてシーサンが勝手に挙げているだけなので正確ではありません。)
この為、空気中に有毒ガスが存在する場合でも、人間よりも多く体内に取り込んでしまう為、直ぐにその影響を受けてしまうという訳です。
・・・ということは、カナリアじゃなくても、インコでも同じなんじゃないか?
いや、鳥好きとしてはカナリアもインコも本当は毒ガス探知に使って欲しくないんだけど・・・(ちなみにイギリスでは1986年に炭鉱でカナリアが使われることは禁止されました)
カナリアとインコの呼吸器に違いがあるのかどうかはよく分かりませんでしたが、実はカナリアは始終ピーピョロロと鳴いていることが多く、鳴かなくなったら元気がなくなった、すなわち異常と判断しやすかったからじゃないかという説がありました。
小鳥は呼吸器能力が優れているが為に、空気中の異物の影響を受けやすいんですね。
まとめ
今回は、炭鉱で毒ガス探知に使われたカナリアのことを調べたら、鳥の呼吸器はより多くの酸素を取り込むことが出来る優れた機能を持っているということが分かったというお話でした。
その優れた機能故に、空気中の有毒物質には影響を受けやすいということが分かりました。
私たち人間には何も影響がないからと、何気に使ってしまう生活用品には、知らずのうちに空気中に有毒物質を舞い上げてしまうものが結構あります。より一層注意が必要だなと改めて思いました。
>>インコの毒物ページはコチラ
鳥は人より空気中の毒物に弱いよ!気を付けてあげんチャイ!
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